個人事業は、特にゼロから始めた最初の頃は、仕事を受注して作業するのに精いっぱいで、安定した収入とは程遠い日々が続きますよね。
この本は、日々の仕事に消耗している個人事業者の方に特にお勧めです。
この本を読めば、きっと収入の安定化のヒントが得られます。
ストックビジネスとは?
クラウドソーシングなどWebでの受注仕事を始め、収入も徐々に増えてきた、といっても単発案件ばかりで長続きしない。
それだと収入も安定できず、ストレスもたまりますよね。
そういった単発の仕事のことをこの本ではフロー系ビジネスと呼んでいます。
フロー系のビジネスは、あなた個人の労働力に依っているところに限界があります。
一方で、著者がすすめているのはストック系のビジネスです。
著者はストックビジネスを
- 継続的にお金が入る
- 売ることができる
と定義しています。
ストックの意味には「株式」のほかに、貯蔵や備蓄といった意味がありますが、
要は、一度契約を結んでしまえば、その後は定期的に収益が得られる資産的なビジネスのことをストック系のビジネスと呼んでいます。
今流行りのサブスクリプションだってストックビジネスの一種ですし、価格の上下はありますが、定期的に配当金が入る株だってストックです。
賃貸不動産だってそうです。
他にもこの本では様々なストックビジネスについて解説していますが、その中からきっとあなたにで向いていて、なおかつ参入障壁の高いストックビジネスが見つけられるかもしれません。
少なくともヒントは得られるはずです。
ストックビジネスにも賞味期限がある。でもチューニング(調整)で復活できる!
ストックビジネスは、一度軌道に乗ってしまえば安定的に収入源となりますが、実際はストックビジネスにも賞味期限があります。
例えば賃貸不動産でもライバルとなるアパートが近所にできたり、建物が老朽化すれば家賃収入をキープすることが難しくなりますよね。
この本のいいところは、ストックビジネスの収入が落ち始めた時のチューニング(調整)の考え方ややり方についても解説しているところです。
著者はこのチューニングについて
チューニングとは、そのストックビジネスの「収益ユニット」が高い収益を上げ続けるために必要となる、きめ細かい調整のことです。
チューニングは、ビジネスの経年劣化を防ぐためだけではなく、不完全なビジネスモデルのストック性を高めるのにも大いに力を発揮しますし、チューニングのアプローチでフロービジネスをストックビジネス化することも可能です。
と説明しています。
ここでいう収益ユニットとは「基準となる1商品あたりの粗利益」×「毎月増加する継続的に利用するお客様の数」×「継続する人の割合」の3つの要素でなる、ストックビジネスの収益の計算式です。
この3つの要素から問題点を洗い出し、改善する方法や具体例について本では詳しく解説しています。
ストックビジネスを始める前だとこの辺りの章はピンと来ないかもしれませんが、自分の成長に合わせ読み返すたびにヒントが得られます。
日頃から「ストック思考」を身に付ける
私は今現在、輸入転売とアフィリエイトが主な収入源ですが、ほぼフロービジネスが中心です。
アフィリエイトは一度サイトを作ってしまえば自動販売機のよう稼げるものだと当初思っていましたが、実際は新しい記事を書き続けなければアクセスが減って収益もあがらなくなってしまうので、フロービジネスに近いです。
そんな自分にとってもこの本は大いにヒントになりました。
特に第2講の「ストック思考を身に付ける」では、Webビジネス以外にも17種類のストックビジネスの型を紹介していて、色々な観点から自分のビジネスを見つめ直すのに参考になりました。
著者は日ごろから様々なビジネスをスコットビジネスの観点から考えることの重要性を以下のように語っています。
ビジネスのストック性が高いか低いかを、意識的に見ていくうちに、それが習慣となり、あらゆるビジネスを無意識的に「ストックビジネスか否か」で見られるようになります。
それこそが、「ストック思考」です。
あなたの今の仕事が全くのフロービジネスである場合も、考え方次第ではストックビジネス的に変えていくことができるかもしれません。
この本の著者について
この本の著者は、株式会社ストック総研取締役会長の大竹啓裕氏。
セコムや、オフィスサブリースを手掛けるデベロッパー、ラーメンのFC系の会社を渡り歩いて身に付けたストックビジネス理論と独自理論を生かし、独立後には様々なストックビジネスを手掛けて年商10億円を超える事業を展開しています。
終りに:読むたびにヒントが得られる実戦的な良著です★★★★★[5/5]
今日は安定した収益源を見つけたいSOHO事業者の方にはおすすめしたい本、「ストックビジネスの教科書 プロフェッショナル」を紹介しました。
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